街道をゆく (6) 沖縄・先島への道





読み:おきなわ・さきしまへのみち
ジャンル:紀行文
収録:那覇・糸満/石垣・竹富島/与那国島

内容
沖縄の神々は、砂漠の民の神が天から来るのとちがい、海から来る。古い日本語でも、宗教的な空のことをアマと言い、同時に海をもアマというように、海は神聖者が渡来してくる道なのである。神聖者が渡来するには出発する島が要る。南波照間島はそういう理由で幻出してきた……。

印象に残った一節
しかし、その後、自分の考えが誤りであることに気づいた。軍隊というものは本来、つまり本質としても機能としても、自国の住民を守るものではない、ということである。軍隊は軍隊そのものを守る。この軍隊の本質と摂理というものは、古今東西の軍隊を通じ、ほとんど稀有の例外をのぞいてはすべての軍隊に通じるように思える。
軍隊が守ろうとするのは抽象的な国家もしくはキリスト教のためといったより崇高なものであって、具体的な国民ではない。たとえ国民のためという名目を使用してもそれは抽象化された国民で、崇高目的が抽象的でなければ軍隊は成立しないのではないか。
さらに軍隊行動(作戦行動)の相手は単一である。敵の軍隊でしかない。従ってその組織と行動の目的も単一で、敵軍隊に勝とうという以外にない。それ以外に軍隊の機能性もなく、さらにはそれ以外の思考法もあるべきはずがない。

司馬遼太郎新刊

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"街道をゆく (6) 沖縄・先島への道"のレビュー

(評価:4)
沖縄問題
レビュアー: shiba-ryo
2008-04-28
全編沖縄の本作。沖縄の歴史、文化、気候や風土など多岐にわたって描いていますが、やはりもっとも重く、印象に残るテーマは「沖縄を語る上で絶対に避けて通れない」と言う、沖縄問題についてでした。

特に民族や戦争についての考察が印象的で、中でも「軍隊は具体的な国民を守るものではなく、"敵の軍隊に勝つ"という目的のためだけに存在している」と語る部分がものすごく鋭く、心に深く突き刺さる感じがしました。

沖縄問題は結論がないテーマのため若干消化不良な点も残りますが、日本人として読んでおくべき一冊だと思います。


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