世に棲む日日





読み:よにすむひび
主な登場人物:吉田松陰、高杉晋作
ジャンル:歴史小説
時代:幕末
巻数:1~4

松陰と晋作、信念と行動の男二人を中心に、長州が藩内革命を成し遂げて維新の原動力となるまでを描いた長編

内容
(一)嘉永六年(1853)、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。この時期骨肉の抗争をへて、倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ吉田松陰と後継者たる高杉晋作があった。変革期の青春の群像を描く歴史小説全四冊。
(二)海外渡航を試みるという、大禁を犯した吉田松陰は郷里の萩郊外、松本村に蟄居させられる。そして安政ノ大獄で、死罪に処せられるまでの、わずか三年たらずの間、粗末な小屋の塾で、高杉晋作らを相手に、松蔭が細々とまき続けた小さな種は、やがて狂気じみた、すさまじいまでの勤王攘夷運動に成長し、時勢を沸騰させてゆく。
(三)狂躁の季節がきた。長州藩は既に過激派の高杉晋作をすら乗り越え藩ぐるみで暴走をかさねてゆく。元治元年(1864)七月に、京へ武力乱入し壊滅、八月には英仏米蘭の四カ国艦隊と戦い惨敗……そして反動がくる。幕府は長州征伐を決意し、その重圧で藩には佐幕政権が成立する。が、高杉は屈せず、密かに反撃の機会を窺っていた。
(四)動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し……。わずか八十八人で兵を挙げた高杉晋作のクーデターは、きわどく成功する。幕府は、慶応二年(1866)、この長州藩を圧し潰そうと、天下の兵を糾合し、藩の四境から進攻するが、時運はすでに移り変わっていた。戦いに勝って維新の曙光を認めながら、しかし高杉はもはや死の床にあった……

司馬遼太郎新刊

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  1. 司馬遼太郎を読む より:

    京都05年04月:霊山護国神社
    幕末から明治維新にかけて、国事に紛争した志士たちを祀る神社。日本人なら一度は訪れ……

  2. 司馬遼太郎を読む より:

    京都05年04月:蛤御門
    蛤御門の変(禁門の変)で有名な蛤御門。 八月十八日の政変で京を追われた長州藩が、……

  3. 冬里の文学本棚 より:

    司馬遼太郎 『世に棲む日日』
    世に棲む日日〈1〉

     うわあ、やられた! と思う。いかん、また幕末にはまりそうだ。
     吉田松陰と高杉晋作を中心に、幕末の長州藩を描いた長編大作だ。松陰に……

  4. 未来の成功のためのレッスン より:

    世に棲む日日 動ケバ雷電ノ如ク、発スレバ風雨ノ如シ
    世に棲む日日〈1〉posted with amazlet on 05.11.26…

  5. 上海ライフの達人 より:

    責任と決断をしない「上司」は、「会議」で煙をまく。
    世に棲む日日〈3〉 (文庫) 司馬 遼太郎 (著) 文藝春秋; 新装版版 (20…

"世に棲む日日"のレビュー

(評価:5)
狂と奇と
レビュアー: 秋
2005-07-11

黒船来航以後の日本の混乱を背景に、吉田松陰と高杉晋作の生涯を通して明治維新成立の前段階を知ることが出来ます。

事実は小説より奇なりで、起伏に富んだ物語が展開されます。
司馬遼太郎の例の口語文に近い文体のため、堅苦しさは全然感じません。
登場人物はリアリティと躍動感に満ち、とても読み心地が良いです。


「動けば雷電の如く発すれば風雨の如し」と言われ、その生涯を閉じるにあたって 「おもしろき こともなき世を おもしろく」と辞世を詠んだ高杉晋作の破天荒な生涯は、読んでいてかなり面白いと思いました。

(全四巻)


拙いレビューですみません。。
(評価:5)
維新の原動力
レビュアー: shiba-ryo.com
2005-05-15
「行動こそ唯一の思想表現の場である」と考え、思想の醇化と実行を追求して非業に倒れた松蔭。
「動けば雷電の如く、発すれば風雨のごとし」と評される、鬼神のような活躍で長州藩を維新の原動力たらしめた晋作。
この信念と行動の男二人を中心に、長州藩が紆余曲折の末に藩内革命を成し遂げ、明治維新の原動力となるまでを描いた全4巻の長編小説です。

黒船来航、安政の大獄、四カ国艦隊との戦い、蛤御門の変、幕長戦争。年数にすれば十数年のごく短い期間ですが、この間の長州において江戸二百六十年の封建秩序がことごとくくつがえされていく様子が事細かに描かれており、長州の激動を肌で感じ取ることができました。

日本史上最大の革命を中心から描いた大作です。司馬ファンや歴史ファンだけでなく、日本人全般に広く読んでもらいたい一冊だと思います。


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