酔って候





読み:よってそうろう
収録作/主な登場人物:
1. 酔って候/山内容堂
2. きつね馬/島津久光
3. 伊達の黒船/伊達宗城
4. 肥前の妖怪/鍋島閑叟

激動の幕末期、藩主として後世に名を残した山内容堂、島津久光、伊達宗城、鍋島閑叟の四人を描いた短編集。

内容
幕末の混迷期、なす術を知らない三百諸侯のなかで、自らの才質をたのみ、また世間の期待を集めた「賢侯」たち。かれら土佐の山内容堂、薩摩の島津久光、伊予宇和島の伊達宗城、肥前の鍋島閑叟は「藩主なるがゆえに歴史の風当りをもっともはげしく受け、それを受けることによって痛烈な喜劇を演じさせられた」。

印象に残った一節
・商いは、魅力である。同じ反物でも魅力あるあきんどの手で売られると、生地ばかりか柄まで冴えてみえるものだが、貧乏くさい嘉蔵の手にかかると、たばこも馬糞のように人にはみえるのであろう。――伊達の黒船

・(金だ)とおもった。天下を動かしているのはもはや士農工商の階級ではない、金が動かしている、と思った――肥前の妖怪

・「孔子、孟子は尊敬するに足らぬ。なぜならばかれらをいまの日本に生まれしめても一隻の軍艦も造れまい。空論を戦わせているうちに国がほろぶ」――肥前の妖怪

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  1. Shoulder.jp より:

    酔って候
    酔って候 幕末の時代小説は、いわゆる志士たちの話が多い。 その中で本書は、藩主……

  2. <徳島早苗の間> ・・・ちょっとだけ〝キタ〟かな~?? より:

    「酔って候」を読む。
      幕末の動乱期を生きた4人の藩主を描いた短編集。その中から特に印象に残った二編の感想。

    表題作「酔って候」。

     前土佐藩主・山内容堂が主人公……

"酔って候"のレビュー

(評価:5)
四藩主の強烈な個性
レビュアー: shiba-ryo.com
2005-07-27
激動の幕末期、藩主として後世に名を残した山内容堂、島津久光、伊達宗城、鍋島閑叟の四人を描いた短編集。この四編、いずれも佳作で司馬遼太郎短編の楽しさを存分に味わえます。なかでも特におもしろかったのが後半の二編。

小藩にも関わらず、ペリーの黒船を見てすぐさまそれを自藩で作ろうと思った伊予宇和島藩主伊達宗城と、その宗城に命じられて黒船の構造を調べ上げ、模倣し、開発に成功した提灯張りの嘉蔵を描いた『伊達の黒船』。困難、失敗に遭遇しても、智恵を絞り、工夫し、挑戦し、乗り越える。技術大国ニッポンの技術者の先駆けともいえる逸話です。

そして『肥前の妖怪』は佐賀藩主鍋島閑叟が徹底的な合理主義で富国強兵政策をとり、大規模な藩政改革を実現して佐賀藩を日本一の武装国家へと育て上げた様子を描いた作品。閑叟の常人離れした経綸の才に驚嘆し、そして明君による専制がいかに強力であるかを学ぶのに最適な作品です。


山内容堂、島津久光、伊達宗城、鍋島閑叟。幕末という異常時に生き、活躍した四人を司馬遼太郎は鮮やかに描き、強烈な個性で輝きを放っています。特に幕末好きには読み応えのある、必読の一冊です。


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