大坂侍




読み:おおさかざむらい
収録作/主な登場人物:
和州長者/青江欣吾、青江釆女
難波村の仇討/佐伯主税、奴留湯佐平次
法駕籠のご寮人さん/お婦以、三岡八郎(由利公正)、山崎蒸
盗賊と間者/天満屋長兵衛、当内十太郎
泥棒名人/江戸屋音次郎、行者玄達
大坂侍/鳥居又七

江戸期の大坂に生きた武士、商人たちの姿を描く六話を収めた短編集。

内容
明けても暮れても金、金の大坂では、武士道も額面通りは通らない。義のために突き進もうと、鳥居又七は江戸の彰義隊に参加するが……。幕末大坂の、武士と町人の気風を語る表題作の他、上方の心意気を軽快に描く好短編、「和州長者」「難波村の仇討」「法駕籠のご寮人さん」「盗賊と間者」「泥棒名人」の5編を収録。

タグ: , , , , , , , ,

関連ページ

"大坂侍"へのトラックバック(0件)
トラックバックURL:

"大坂侍"のレビュー

(評価:5)
商工農士の大坂
レビュアー: shiba-ryo.com
2005-07-29
明けても暮れても金。金が人々の価値観の最上位にある、天下の台所大坂。その大坂を舞台に、泥棒から武士まで老若男女さまざまの人物が登場し、大坂という土地の魅力を余すところなく描いた本作。大坂に生まれ、生涯大坂に住みつづけた司馬遼太郎ならではの一冊まるごと大坂という作品です。

なかでも印象に残ったのが表題作大坂侍の「大坂は商工農士だ」という一節。江戸というガチガチの封建時代において大坂だけが封建主義にとらわれず、独自の価値観を軸とし、社会を形成し、活動している。大坂という土地柄を一言で言い表す、まさに本質を捉えた一言だと思いました。

収録六編はいずれも江戸時代の大坂を描いているので、短編ながら一本筋が通っており、一冊の長編のような感覚で大坂を存分に味わえます。悲壮さや重々しさはほとんどなく、純粋に楽しめる"痛快"な一冊でした。

ちなみに、法駕籠のご寮人さん、盗賊と間者、大坂侍の三編は幕末の大坂が舞台で、新選組についての記述も少なくありません。新選組が好きな人なら新選組余話として楽しめると思います。


レビューを投稿する