新史太閤記
読み:しんしたいこうき
主な登場人物:豊臣秀吉
ジャンル:歴史小説
時代:戦国
巻数:上下
日本史上、空前絶後の出世を成し遂げた秀吉を、幼少期からその最期までを独自の視点で鮮やかに描く
内容
(上)日本史上、もっとも巧みに人の心を捉えた”人蕩し”の天才、豊臣秀吉。生れながらの猿面を人間的魅力に転じ、見事な演出力で次々に名将たちを統合し、ついに日本六十余州を制覇した英雄の生涯を描く歴史長編。古来、幾多の人々に詠みつがれ、日本人の夢とロマンを育んできた物語を、冷徹な史眼と新鮮な感覚によって今日の社会に甦らせたもっとも現代的な太閤記である。
(下)備中高松城を水攻めのさなか本能寺の変を伝え聞いた秀吉は、”中国大返し”と語り伝えられる強行軍で京都にとって返し、明智光秀を討つ。柴田勝家、徳川家康ら、信長のあとを狙う重臣たちを、あるいは懐柔し、あるいは討ち滅ぼすその稀代の智略は、やがて日本全土の統一につながってゆく。常に乱世の英雄を新しい視角から現代に再現させる司馬遼太郎の「国盗り物語」に続く戦国第二作。
印象に残った一節
・半兵衛は、あざやかな衝撃をうけた。なるほどそうである。士が愛されるということは、寵童のような情愛を受けたり、嬖臣のように酒色の座に同席させられるということではあるまい。自分の能力や誠実を認められることであろう。理解されて酷使されるところに士のよろこびがあるように思われる。
・「智恵とは、勇気があってはじめてひかるものだ。おれはつねにそうだ」
・ついには、おれでしかない。主家などではない。この元亀天正という世にあっては、主家などは忠義の場でなく、自分の器量の表現場所でしかない。
・「世を動かすのは、これだ」と秀吉はいった。これ、というのは人間の欲望を指している。秀吉は人間の欲望を刺戟した。
・「官兵衛、世の事はすべて陽気にやるのよ」それが秘訣だ、と秀吉はおもっている。悪事も善事も陽気にやらねばならない。ほがらかにあっけらかんとやってのければ世間の者もその陽気さにひきこまれ、眩惑され、些細な悪徳までが明色にぬりつぶされて一種の華やかさを帯びてくる。










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