歴史と視点―私の雑記帖




読み:れきしとしてん―わたしのざっきちょう
ジャンル:随筆集
収録作:大正生れの『故老』/戦車・この憂鬱な乗物/戦車の壁の中で/石鳥居の垢/豊後の尼御前/見廻組のこと/黒鍬者/長州人の山の神/権力の神聖装飾/人間が神になる話

司馬遼太郎が個人的な体験をきっかけに深く掘り下げていった雑記集。特に戦車兵としての戦争体験を描いた三作は必見

内容
歴史小説に新しい時代を画した司馬遼太郎の発想の源泉は何か?帝国陸軍が史上初の惨敗を喫したノモンハンの戦いを、太平洋戦争を戦車隊員として戦った自身の体験と重ね合わせながらふりかえり、敗戦に至る壮大な愚行に対する一つの視点を呈示するなど、時代の諸相を映し出す歴史の搏動をとらえつつ、積年のテーマ”権力とは”、”日本人とは”に迫る独自な発想と自在な思索の軌跡。

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"歴史と視点―私の雑記帖"へのトラックバック(1件)
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  1. タヌキのちゃんこ鍋 ~もっと過激に~ より:

    エミちゃん解放区~リバイバルを読み返して
    事実を再確認するためにちょっと調べてみました。…

"歴史と視点―私の雑記帖"のレビュー

(評価:5)
司馬遼太郎の戦車兵体験から学ぶ
レビュアー: shiba-ryo.com
2005-05-15
大正生れの『故老』/戦車・この憂鬱な乗物/戦車の壁の中で/石鳥居の垢/豊後の尼御前/見廻組のこと/黒鍬者/長州人の山の神/権力の神聖装飾/人間が神になる話

上記は収録作で、内容はタイトルの通り、司馬遼太郎の個人的な体験をきっかけに深く掘り下げていった雑記集です。

特に印象に残ったのは戦車兵として太平洋戦争に投入された自身の経験をもとに書かれた、戦車・この憂鬱な乗物/戦車の壁の中で/石鳥居の垢の3つです。(自分の中では戦車三部作と呼んでいます)

この三部作を読み、昭和初期日本の愚かさや浅はかさ、異常な精神構造を知り、そしてそれらに対して恐怖や恥ずかしさ、滑稽さなどを感じました。
またそれによって、日本人はこの自国の忌むべき歴史をきちんと自覚し、二度とこうした愚劣な行為を、国家レベルはもちろん組織や個人レベルでも繰り返してはいけないという教訓にすべきだと、強く思いました。

今の日本は太平洋戦争を含む自国近代史について目を反らして直視しようとせず、ただひたすら平和という幻想に逃げているだけの軟弱な国家に成り果てています。そしてこの状況を打開できる唯一の道は、歴史を正しく認識し、学び、行動していくことだと思います。司馬遼太郎もそれを願って多くの著作を残したのだと思うので、少しでも多くの人が歴史を学び、そうした気持ちに応えて次代の日本を作っていくことを願います。

今回久しぶりに司馬遼太郎の歴史小説以外の作品を読みましたが、この人の書くものはすべてにおいていろいろなことを感じ、考えさせられ、勉強になります。本当に宝のようなものだと、あらためて思いました。


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