風神の門





読み:ふうじんのもん
主な登場人物:霧隠才蔵、猿飛佐助、真田幸村
ジャンル:歴史小説
時代:戦国
巻数:上下

戦国末期、伊賀の霧隠才蔵が超人的な忍びの術で縦横無尽に駆け回る痛快アクション長編

内容
(上)関ヶ原の合戦によって豊臣家が大坂城にとじこめられてしまった時期、伊賀の忍者の頭領、霧隠才蔵は人ちがいで何者かに襲われたことから、豊臣・徳川の争いに次第にまき込まれてゆく。生来、いかなる集団にも属することを嫌った才蔵であったが、軍師真田幸村の将器に惹かれ、豊臣家のために奮迅の働きをし、ついには徳川家康の首をねらうにいたる。
(下)大坂冬の陣に西上してくる徳川家康の首をねらうため、霧隠才蔵らは駿府城下に潜入し、徳川の忍者、風魔獅子王院たちと血闘をくりひろげる。そして、駿府城内にしのび込んだ才蔵は、家康の寝所の天井裏に立つのだが……。人間性を抹殺された忍者たちの中で、いかなる組織にも属さず、ただひとり人間らしく生きようとした才蔵の悲哀を通して、”忍び”の世界を現代の眼で捉えた長編小説。

印象に残った一節

「なんの技術もない侍が世に立ち、めしを喰わねばならぬと思うとき、主人に犬馬のごとく仕えるしか手があるまい。忠義、義理、恩義などというものは、そういう手に職のない武士どものうたい念仏よ」

「よいわ。徳川が勝ち、豊臣がほろびるのも天命であろう。この城にきて、そのことがよくわかった。腐れきった豊臣家が、もし戦いに勝って天下の主となれば、どのように愚かしい政道が行なわれぬともかぎらぬ。亡びるものは、亡ぶべくしてほろびる。そのことがわかっただけでも、存分に面白かった」

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  1. The Intelligent Investor より:

    司馬遼太郎のマイナー(?)な作品群
    タイトルのとおり、ここのところ司馬遼太郎のマイナーな作品を読んでます。まだ読み終わってないものもありますが、以下の作品です。

    それぞれの作品の共……

  2. 時代小説県歴史小説村 より:

    風神の門
    【覚書】★★★★★★★☆☆☆ ある意味、司馬遼太郎版「真田十勇士」といってよい……

"風神の門"のレビュー

(評価:4)
生き方を考えるきっかけに
レビュアー: しんぞう
2006-05-13
司馬遼太郎の作品は、遙か昔にメジャーなものを読んでそれっきりでした。そんな時に、何気なく購入したのがこの本です。
この作品は、「龍馬がゆく」や「坂の上の雲」と比べると、違うパターンだと思います。娯楽作品的要素が多いですね。

ただ私的には、霧隠才蔵の生き方と、今の自分自身の生き方がなぜかオーバーラップしてしまってきましたね。

中年と言われる年になって、これからの人生を考えている今、非常にインパクトがありました。
「なんの技術もない侍が世に立ち、めしを喰わねばならぬと思うとき、主人に犬馬のごとく仕えるしか手があるまい。忠義、義理、恩義などというものは、そういう手に職のない武士どものうたい念仏よ」
という一節は、まさしく私自身のことにほかならないからです。

同世代の会社社会に身を置く人には、自分としてどう生きるのかを改めて考える良い機会になるのではないかと思います。
(評価:4)
爽快なアクション時代長編
レビュアー: shiba-ryo.com
2005-08-03
司馬遼太郎初期の作品で、梟の城に続く忍者物の長編。基本路線は梟の城とほぼ同じで、忍者たちの生き様やその職業の特殊性などを深く、鋭く描いています。

ですが本作風神の門は、梟の城と違って忍者の宿命ともいえる"暗さ"がありません。主人公の霧隠才蔵は底抜けに明るく、気ままで、自分中心な人物として描かれており、読んでいて楽しさや爽快さはあるものの、悲壮感などほとんど感じられません。
また"風神"では主人公の霧隠才蔵をはじめ猿飛佐助、真田幸村、真田十勇士も登場(名前だけですが)します。戦国オールスター共演という感じの、爽快な娯楽アクション時代長編と言える内容です。

しかし、霧隠才蔵(風神)と葛籠重蔵(梟)。どちらも同じ(伊賀)忍者で、時代もほぼ同じ。ですが、それぞれまったく異なった味わいの作品となっているのは司馬遼太郎の懐の深さのなしうるところなのでしょう。ちなみに、司馬遼太郎はこの作品のあとから本格的な歴史小説の執筆を開始しています。

爽快な時代小説を読みたい方、初期司馬作品を読みたい方におすすめの一冊です。


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