城塞





読み:じょうさい
主な登場人物:徳川家康、小幡勘兵衛、淀殿、他
ジャンル:歴史小説
時代:戦国
巻数:上、中、下

大坂冬の陣、夏の陣を軸に、戦争に至る過程から落城までを描いた長編

内容
(上)「豊臣家をつぶす」――”関ヶ原”から十四年、徳川家康は多年の野望を実現すべく、大坂城の秀頼・淀殿に対して策謀をめぐらす。方広寺鐘銘事件など、つぎつぎと打ち出される家康の挑発にのった大坂方は、西欧の城塞をはるかに凌ぐといわれた巨城に籠城して開戦することを決意する。大坂冬ノ陣・夏ノ陣を最後に陥落してゆく巨城の運命に託して、豊臣家滅亡の人間悲劇を描く歴史長編。
(中)真田幸村、後藤又兵衛ら、関ヶ原ノ合戦でむなしく敗れた豪将たちを迎えて籠城作戦をとる大坂方。みずから四十万の兵をひきいて包囲する徳川家康。かくて大坂冬ノ陣の激戦の火蓋は切られた。真田丸にたてこもる幸村の神技を思わせる戦闘指揮にもかかわらず、天守閣に大筒を撃ち込まれた淀殿は、家康の調略にのって和議に応じ、さらには城の外濠ばかりか内濠までも埋められてしまう。
(下)外濠も内濠も埋められて裸城となった大坂城に対して、家康は最後の戦いをしかける。夏ノ陣を前にして、大坂方には、もはやいかなる勝機も残されてはいなかった。数十万の東軍を相手に、真田幸村、毛利勝永らは家康の本営にまで斬り込む働きをするが、後続の部隊がなく、いずれも城を墳墓に討死してゆく。秀頼・淀殿は自尽し、巨城の炎上をフィナーレに戦国時代はその幕を閉じる。

印象に残った一節
・愚かというのは知能の鋭鈍ではなく、囚われているかどうかだ(小幡勘兵衛)

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"城塞"のレビュー

(評価:5)
戦国最後のドラマ
レビュアー: shiba-ryo.com
2005-05-22
大坂冬の陣、夏の陣をテーマに、戦争に至る過程から落城までの詳細を描いた上中下巻の長編小説です。

徳川安泰のため悪謀の限りを尽くす家康。我が子への盲愛のため正常な判断ができない愚かな淀殿とその取り巻き連中。そして勝ち目のない戦いと知りながら家康に挑み、潔く散っていく大坂の猛将達。

大坂城という戦国の象徴を舞台に、これら人物たちの人生が織り成してうまれる劇的なドラマはとにかく面白い。中でも真田幸村、後藤又兵衛、長曾我部盛親、毛利勝永などの猛将たちの活躍は判官びいきの日本人にとっては感動的なエピソードであり、その生き様と死に様には美しさを感じました。

大坂の陣は戦国の終焉であり、まさにろうそくの最後の火のように激しく切ないドラマに満ちています。歴史好きな人にぜひお勧めしたい一冊です。


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