街道をゆく (12) 十津川街道




読み:とつかわかいどう
ジャンル:紀行文
収録:五條・大塔村/十津川

内容
古代から明治維新まで、極端にいえば十津川郷(村)はだれの領地でもなかった。古来、日本国における所領関係の空白地だったといえるであろう。そういう意味では、「十津川共和国」というものをつくることもできるし、ひるがえっていえば実態は多分にそうだったといっていい(本文より抜粋)

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"街道をゆく (12) 十津川街道"のレビュー

(評価:4)
十津川の歴史
レビュアー: shiba-ryo.com
2008-10-17
シリーズ8作目収録の「熊野・古座街道」でも十津川について少し触れられていましたが、本作では一巻まるまる使い切って上代から現代まで、十津川の歴史を描ききっています。

京・大坂のほど近くにありながらまわりを天嶮に囲まれ、水田耕作の適地もほとんどない。それでいて中央での政変には敏感で、微力ながら政争に首を突っ込んで代々の免租、自治の特権をまもり続けた。十津川はそんな日本の他のどこにもない、独特で神秘的、かつ健気な歴史を持つ地域です。

このように十津川は日本史において非常に特殊なケースであり、また歴史の本流からはやや外れているので地味な印象はぬぐえません。自分の場合、どちらかというとより人間臭い政争劇などが好きなので、平和な十津川郷の話は正直ちょっと退屈な感がありました。

でも逆に考えると、将来我々が目指すところは十津川のような生き方こそを参考にすべきなのかもしれない、という気持ちも起こります。広い日本には、こんな歴史を持った人・地域もあったんだな、と、印象に残る一冊でした。


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