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(評価:5)
宗教誕生の時
レビュアー: shiba-ryo.com
2007-04-20
真言宗の開祖、空海の生い立ちから入定(死)までを描いた長編。他の長編小説と違って資料を基にした考察以上に司馬遼太郎による想像や空想が多いのが特徴。1000年以上前(平安初期)が舞台になっているため、必然的にそうした構成になったと著者自身も語っています。
本書では空海の生涯をほぼ時系列で描いていますが、中でも空海が密教を発見し、それを日本に持ち込んで新たな宗派をうちたてていく様子が印象に残っています。
宗教というのは概念や思想の発明みたいなもので、その発明した概念が民衆のニーズに合っていれば広まり、合わなければ廃れてゆく。崇高な理念や言葉で表現していても、結局は人間が人間のために作り出したものということがよく分かります。
「だからどうした」と言われるとそこまでなんだけれど、読者に対してそういうことを気付かせ、考えさせてくれるところが司馬遼太郎作品のすごいところであり、醍醐味なんだと思います。つまり、おもしろいということです。
なお本筋から少し外れますが、空海をとりまく時代の流れも詳しく描かれています。遣唐船の実情や藤原氏を中心とした激しい政争など、歴史の授業では退屈な奈良~平安時代ですが、非常におもしろくて一気に読めてしまえます。
久しぶりに読んだ長編小説でしたが、読み応えたっぷりで大満足でした。
なお、本書はある程度仏教知識があったほうがより楽しめると思います。自分は密教が何なのかすらよくわからない状態で読んだため、辞書を引きながら少しずつ読みました。
本書では空海の生涯をほぼ時系列で描いていますが、中でも空海が密教を発見し、それを日本に持ち込んで新たな宗派をうちたてていく様子が印象に残っています。
宗教というのは概念や思想の発明みたいなもので、その発明した概念が民衆のニーズに合っていれば広まり、合わなければ廃れてゆく。崇高な理念や言葉で表現していても、結局は人間が人間のために作り出したものということがよく分かります。
「だからどうした」と言われるとそこまでなんだけれど、読者に対してそういうことを気付かせ、考えさせてくれるところが司馬遼太郎作品のすごいところであり、醍醐味なんだと思います。つまり、おもしろいということです。
なお本筋から少し外れますが、空海をとりまく時代の流れも詳しく描かれています。遣唐船の実情や藤原氏を中心とした激しい政争など、歴史の授業では退屈な奈良~平安時代ですが、非常におもしろくて一気に読めてしまえます。
久しぶりに読んだ長編小説でしたが、読み応えたっぷりで大満足でした。
なお、本書はある程度仏教知識があったほうがより楽しめると思います。自分は密教が何なのかすらよくわからない状態で読んだため、辞書を引きながら少しずつ読みました。
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