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"街道をゆく (24) 近江・奈良散歩"のレビュー
(評価:5)
変らないことの大事さ
レビュアー: shiba-ryo.net
2009-11-12
近江編。
京に近い地理的条件からさまざまな政戦略が繰り広げられ、読み応え十分。
姉川の戦い、国友村の鉄砲鍛冶、安土城などが描かれ、信長、秀吉、家康、浅井長政に朝倉義景などが登場。まさに戦国の真っ只中で、元亀・天正の時代の激動が感じられる内容。さらに時代が下って江戸時代、彦根城や藩祖井伊直政、直孝にまつわる話もおもしろい。
また現代での琵琶湖の環境破壊についての深刻な憂慮についても描いている。
特に著者は琵琶湖への思い入れが強く、日本全体における病的な土木熱によってその美しい自然が失われていくことに心配と憤りを感じているため、筆も鋭い。
特に「(日本国、日本人は)文明をもたず、カネだけを持った。」という表現は冷静的確で、思わずズキリとしてしまう。
当時(80年代半ば)と比べれば今はいくらかマシにはなっていると思うが、司馬遼太郎は今の日本の現状を見てどう思うだろうか。
また昨今のエコブームを見て、司馬遼太郎だったらどんなことを思うのか、などを思った。
奈良編。
日本でもっとも古い東大寺や興福寺を通して仏教の奥深さを探り、中でも1000年以上続く東大寺の修二会についてページ数を多く割いている。
その中で、司馬遼太郎の考える「変らないこと」の意味・意義が特に印象に残った。
先進性や合理性ばかりが優先される今の世の中でも、変らずにいることも必要だし、大事だという感覚はぼんやりと持ってはいたが、それを言葉で現してくれたのはまさに目からウロコが落ちる思いだった。
近江編が"動"とすると、奈良編は"静"。同じ畿内で京に隣接する二国でありながら、対照的なのがおもしろい。
いずれの二編も読み応え抜群、街道をゆくシリーズの中でも傑作の部類に入ると思う。
京に近い地理的条件からさまざまな政戦略が繰り広げられ、読み応え十分。
姉川の戦い、国友村の鉄砲鍛冶、安土城などが描かれ、信長、秀吉、家康、浅井長政に朝倉義景などが登場。まさに戦国の真っ只中で、元亀・天正の時代の激動が感じられる内容。さらに時代が下って江戸時代、彦根城や藩祖井伊直政、直孝にまつわる話もおもしろい。
また現代での琵琶湖の環境破壊についての深刻な憂慮についても描いている。
特に著者は琵琶湖への思い入れが強く、日本全体における病的な土木熱によってその美しい自然が失われていくことに心配と憤りを感じているため、筆も鋭い。
特に「(日本国、日本人は)文明をもたず、カネだけを持った。」という表現は冷静的確で、思わずズキリとしてしまう。
当時(80年代半ば)と比べれば今はいくらかマシにはなっていると思うが、司馬遼太郎は今の日本の現状を見てどう思うだろうか。
また昨今のエコブームを見て、司馬遼太郎だったらどんなことを思うのか、などを思った。
奈良編。
日本でもっとも古い東大寺や興福寺を通して仏教の奥深さを探り、中でも1000年以上続く東大寺の修二会についてページ数を多く割いている。
その中で、司馬遼太郎の考える「変らないこと」の意味・意義が特に印象に残った。
先進性や合理性ばかりが優先される今の世の中でも、変らずにいることも必要だし、大事だという感覚はぼんやりと持ってはいたが、それを言葉で現してくれたのはまさに目からウロコが落ちる思いだった。
近江編が"動"とすると、奈良編は"静"。同じ畿内で京に隣接する二国でありながら、対照的なのがおもしろい。
いずれの二編も読み応え抜群、街道をゆくシリーズの中でも傑作の部類に入ると思う。
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