街道をゆく (8) 熊野・古座街道、種子島みちほか





読み:くまのこざかいどう、たねがしまみち
ジャンル:紀行文
収録:熊野・古座街道/豊後・日田街道/大和丹生川(西吉野)街道/種子島みち

内容
鉄砲は、未開の孤島ではなく鉄産業が高水準の種子島にやってきた。歴史の面白さである。――南紀・古座川、大和・丹生川流域に若衆組の残像を求め、種子島で天下統一の鍵を握った鉄砲受容の土壌を探り、さらに豊後・日田へ。

印象に残った一節
その集団やその社会のなかで、
―――若イモンタチ。
とよばれている集団は、平時にあっては鹿児島でいう大人衆に対してじつに従順である。「オセンシのいうことは何が何でも聞け」というのが、薩摩藩における若者団体(郷中)の綱領のひとつであった。ところがいったん若者団体が、正義としての暴力(戦争)をいっせいに思いたつときは、大人衆は無力この上ない。私学校が暴発して、オセンシである西郷がそのことに反対の意見をもちつつも、「俺の体をやる」といってかれらにかつがれざるを得なかったのは、朝鮮にも――むろん、中国にもヨーロッパにも――ないふしぎな政治的奇習ではないだろうか。

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"街道をゆく (8) 熊野・古座街道、種子島みちほか"のレビュー

(評価:4)
若衆組
レビュアー: shiba-ryo.com
2008-08-05
若衆組は、明治以前西日本を中心に村落の暮らしに深く根付いていた若者団体の組織です。
日本の歴史、社会の正体を探る手がかりとして"若衆組"を追うことが収録四編の共通したテーマとなっており、「若衆組と日本史」みたいなサブタイトルがついていてもあまり違和感はありません。

ただ、すでに若衆組が絶滅してから半世紀近く経っていることもあり、本作中で若衆組との関わりや濃厚な記憶を持った人とはついに出会えずじまい。その点はやや拍子抜けでしたが、司馬遼太郎の考察は読み応え十分で、それをカバーして余りあるほどです。若衆組が、日本人の精神の一端をなす大きな存在であったことがよくわかりました。


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