街道をゆく (8) 熊野・古座街道、種子島みちほか
読み:くまのこざかいどう、たねがしまみち
ジャンル:紀行文
収録:熊野・古座街道/豊後・日田街道/大和丹生川(西吉野)街道/種子島みち
内容
鉄砲は、未開の孤島ではなく鉄産業が高水準の種子島にやってきた。歴史の面白さである。――南紀・古座川、大和・丹生川流域に若衆組の残像を求め、種子島で天下統一の鍵を握った鉄砲受容の土壌を探り、さらに豊後・日田へ。
印象に残った一節
その集団やその社会のなかで、
―――若イモンタチ。
とよばれている集団は、平時にあっては鹿児島でいう大人衆に対してじつに従順である。「オセンシのいうことは何が何でも聞け」というのが、薩摩藩における若者団体(郷中)の綱領のひとつであった。ところがいったん若者団体が、正義としての暴力(戦争)をいっせいに思いたつときは、大人衆は無力この上ない。私学校が暴発して、オセンシである西郷がそのことに反対の意見をもちつつも、「俺の体をやる」といってかれらにかつがれざるを得なかったのは、朝鮮にも――むろん、中国にもヨーロッパにも――ないふしぎな政治的奇習ではないだろうか。








