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"余話として"のレビュー
(評価:5)
最高の"無駄ばなし"たち
レビュアー: shiba-ryo.com
2006-05-22
冒頭から後半まで「話のくずかご」という見出しで合計十六編の読み物が続き、それが本作品の中心となっています。
あとがきで司馬遼太郎自身が「要するに、これらは無駄ばなしなのである。酒の座で、とくに親しい友人にだけ話してしまえばそれでおしまいといったような感じのもので、それだけではないかというためらいが、胸中を離れない。」と語っているように、歴史小説には収録しにくいような、歴史のこぼれ話たちがまとめてあります。
この"こぼれ話"たちが非常におもしろく、「くずかご」どころか「宝箱」のようです。また一話一話が短く、読みやすいので引き込まれるように一気に読み終わってしまいました。
司馬遼太郎といえば長編歴史小説やエッセイが代表的ですが、こうした"こぼれ話"もとてもおもしろく、逆にこちらのほうが敷居が低くて、初心者が歴史に興味を持つきっかけとしてもいいのではないかと思います。
また、「話のくずかご」以外の収録作も秀逸です。
"尊皇攘夷"という、日本を突き動かした未曾有のエネルギーを産み出すモトになった書物、太平記に対する司馬遼太郎の思い・思考をその独自の史観と洞察力から分析し、描いた「太平記とその影響」。
そして、"権力"という、多くの人が手に入れたいと欲する大きなチカラを通し、日本国家・民族の特質を描いた「日本的権力について」。
"権力"という切り口から日本の本質を洗い出しているわけですが、非常にわかりやすく、またわかりやすい分だけ強烈な印象を受けました。外国から見ても、そして自分たち日本人から見ても理解しがたい日本の文化や習慣のルーツを歴史から紐解く。深い歴史知識と鋭い洞察力を持つ、司馬遼太郎ならではの力作です。
とまあこんな具合で、"余話"として片付けるにはもったいないような名作が揃った一冊になっています。
司馬遼太郎ファンも、そうでない人も、ぜひ一度読んでもらいたいと思う作品です。
あとがきで司馬遼太郎自身が「要するに、これらは無駄ばなしなのである。酒の座で、とくに親しい友人にだけ話してしまえばそれでおしまいといったような感じのもので、それだけではないかというためらいが、胸中を離れない。」と語っているように、歴史小説には収録しにくいような、歴史のこぼれ話たちがまとめてあります。
この"こぼれ話"たちが非常におもしろく、「くずかご」どころか「宝箱」のようです。また一話一話が短く、読みやすいので引き込まれるように一気に読み終わってしまいました。
司馬遼太郎といえば長編歴史小説やエッセイが代表的ですが、こうした"こぼれ話"もとてもおもしろく、逆にこちらのほうが敷居が低くて、初心者が歴史に興味を持つきっかけとしてもいいのではないかと思います。
また、「話のくずかご」以外の収録作も秀逸です。
"尊皇攘夷"という、日本を突き動かした未曾有のエネルギーを産み出すモトになった書物、太平記に対する司馬遼太郎の思い・思考をその独自の史観と洞察力から分析し、描いた「太平記とその影響」。
そして、"権力"という、多くの人が手に入れたいと欲する大きなチカラを通し、日本国家・民族の特質を描いた「日本的権力について」。
"権力"という切り口から日本の本質を洗い出しているわけですが、非常にわかりやすく、またわかりやすい分だけ強烈な印象を受けました。外国から見ても、そして自分たち日本人から見ても理解しがたい日本の文化や習慣のルーツを歴史から紐解く。深い歴史知識と鋭い洞察力を持つ、司馬遼太郎ならではの力作です。
とまあこんな具合で、"余話"として片付けるにはもったいないような名作が揃った一冊になっています。
司馬遼太郎ファンも、そうでない人も、ぜひ一度読んでもらいたいと思う作品です。
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