人間の集団について ベトナムから考える




読み:にんげんのしゅうだんについて
ジャンル:紀行文

内容
鋭い史観による独特の発想と、優しい心に映った内戦下のベトナムの姿――。複雑な国際関係と政治の力学について、善意の知識人が誰一人として言及しなかった深い洞察がここにある。 南ベトナム各地を歩き、直接眼にふれたナマの感覚から、人間そのものの問題に切りこむ、知的な刺激力に満ちた「第一級の思想書」(桑原武夫)である。

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"人間の集団について ベトナムから考える"へのトラックバック(3件)
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  1. Shoulder.jp より:

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  2. Shoulder.jp より:

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    人間の集団について―ベトナムから考える ベトナムを知るための読書の第三弾。 大……

  3. Shoulder.jp より:

    人間の集団について − ベトナムから考える 後編
    人間の集団について―ベトナムから考える ベトナムを知るための読書の第三弾の前編……

"人間の集団について ベトナムから考える"のレビュー

(評価:5)
ベトナムを通して人間"そのもの"に迫る名作
レビュアー: shiba-ryo.com
2006-01-30
昭和四十八年の連載。司馬遼太郎がアメリカ撤兵直後の南ベトナムを訪問し、それを題材に描いたエッセイを文庫化した作品。

ベトナムに対し、格別な感情を持つ司馬遼太郎。
そこに暮らす人々の柔和な性格、恵まれた自然を持つ素晴らしい国土。そうしたベトナムの素晴らしい面を、司馬遼太郎は溢れんばかりの愛情を持って鮮やかに描いており、ベトナムに対してとても親近感を覚えます。いつかは自分もベトナムを訪ねてみたい、読者にそう思わせるような内容です。
反面、ベトナムが併せ持つ政治、戦争などの負の側面を描く際は非常に冷静で且つ厳しく、人間の集団・民族、そして正義やイデオロギーというものについて考えさせられます。

本書は解説にあるように、『人間そのものの問題に切りこむ、知的な刺激力に満ちた「第一級の思想書」』であり、学ぶことが非常に多いです。
中でも自分にとって『アジア型共産主義』の項は印象的でした。政治システムというのはあくまで形式にすぎず、アメリカが唱える「民主主義と資本主義こそが唯一の政治システムであり、絶対の正義である」とする思想も、国土や歴史、そこに根付く文化が違えばただのひとりよがりの考え方に過ぎないという事実は、アメリカが提唱する価値観を受け入れる一般的な日本人の自分にとって、まさに目からウロコでした。

これは「盲目的にひとつの思想や価値観を受け入れてしまうのはいけない」という、司馬遼太郎からのメッセージであると思います。人間にしても国家にしても、絶対的な正義や存在などありはしない。という、当たり前だが大事なことを、改めて認識させられました。


司馬遼太郎のように博識で、冷静で明晰な頭脳を持つのは無理だと思うけれど、少しでもそれに近づけるよう、日々司馬作品を読み、勉強を続けていかなくてはいけない。そうしたことを改めて感じさせてくれる作品です。


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