街道をゆく (40) 台湾紀行




読み:たいわんきこう
ジャンル:紀行文

内容
「ふるくは国主なき地」だった台湾は、その後スペイン・オランダ・日本・そして大陸からきた”外省人”に支配され続けた。「奇跡」を経て、”本島人”の国になりつつある変革期の台湾を歩き、「国家とはなにか」を考える。シリーズ最後の海外紀行。巻末に李登輝総統との特別対談「場所の悲哀」を収録

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"街道をゆく (40) 台湾紀行"のレビュー

(評価:5)
日台関係
レビュアー: shiba-ryo
2010-07-02
台湾をゆく本作。
著者自身、台湾にはかなり思い入れがあるようで、内容が濃いです。古き良き日本的な文化や精神が感じられるエピソードが随所に登場し、親しみがもてます。
さらに巻末には当時の現職台湾総統李登輝氏との対談も収録されているなど、かなり読み応えのある一冊でした。

また先史時代からオランダ統治期、鄭成功時代、日本統治期、現代に至るまで、台湾の歴史がほぼ網羅されているので、知識のない自分にとっては非常にありがたかったです。

中でも印象に残ったのは蒋経国のこと。台湾民主化の礎を築き、李登輝に総統の座を譲ったその事跡については司馬遼太郎も"世界史の奇跡"と評しており、この人物についてはより詳しく知りたいと思いました。


本書を読み終えて思うのは、台湾と日本は"親友"になりうるのではないか、ということ。

似た文化・価値観を共有し、共に進歩・発展を目指すパートナーとして、台湾以上の相手は世界中どこを探してもいないのではないか、と感じます。それを思うと、もしかしたら司馬遼太郎は本書にそうしたメッセージを密かに込めていたではないか、と考えてしまいます。(何も根拠はありませんが)


同じアジアだからといって無理をして気の合わない相手と必要以上に仲良くする道理はないし、また人生において親友となりうる人が少ないように、国家レベルで信頼関係を築けるチャンスというのは滅多にないと思います。

中国の手前、表だった友好関係を築くのは無理としても、個人、民間、自治体などのレベルで積極的に交流し、お互いを知り、学び、親好を深めておくのは、日台双方にとってメリットがあるのではないでしょうか。

本書が出版されてから15年。その後中国の台頭によって東アジアは緊張が高まっています。
難しい政治情勢だと思いますが、今後も地道に友好を深め、信頼を築き、日台で連携して難局に向かうことが、よりよい結果に繋がるのではないか、と考えるようになりました。


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